ガルバリウム鋼板 最適な研磨の程度

ガルバリウム鋼板を塗装するにあたって最も適した研磨の程度を調べてみました。


研究・実験の背景

 今回この検証を行ったきっかけは、主に次の2点です。

 1つ目は、

住宅の塗替え工事において、研磨後に下地が大きく露出している箇所が見受けられた現場があり、

「研磨や下地の度合いで密着性に差が出るのではないか?」

という疑問を持ったこと。

ガルバリウム鋼板 研磨

2つ目は、

ガルバリウム鋼板部分を塗装しない仕様の物件において、

塗装部との取り合い部分を処理する際、

「どの程度まで研磨するのが適切なのか」

という点が気になったことです。

 

これらを踏まえ、実際の現場での再現性を意識した検証を行いました。


 今回使用したガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板
ニクスカラーPro GC
板厚:0.35mm

・ニクスカラーPro GC

・板厚:0.35mm

 


 研磨の度合い

A:研磨なし(論外)

B:スコッチブライト ♯240

C:サンドマジック ♯80

D:ランダムサンダー ♯150

E:ランダムサンダー ♯150(下地が多少見える)

F:ランダムサンダー ♯150(下地が完全に露出)

※「研磨しすぎた場合の影響」も確認する目的で、Fまで設定。

左(グレー色下地)脱脂なし

右(白色下地)脱脂有

ガルバリウム鋼板 研磨後


 使用した塗料・材料

 実際の現場を想定し、使用材料は昨年の施工で使用しているものをメインに選定しています。

ガルバリウム鋼板 試験塗装後 クロスカット ガムテープにて密着検査 使用材料

    1. 水性エポレジン (関西ペイント)
    2. 水性ソフトサーフSG (エスケー化研)
    3. 水性SDサーフエポ (エスケー化研)
    4. マイルドSDサーフ (エスケー化研)
    5. 水性ミラクシーラーエコ (エスケー化研)
    6. ハイブリッドシーラーエポ (エスケー化研)
    7. サイディングUVバリヤ (セブンケミカル)
    8. UVガードクリヤー (ロックペイント)
    9. 1液変成シリコーンLM専用プライマー (サンライズ)
    10. シャーピープライマーP50 (シャープ化学)
    11. ミッチャクロン マルチ (染めQテクノロジー)
    12. 1液サビカット (ロックペイント)
    13. 2液サビカット (ロックペイント)
    14. ハイプライマー (ロックペイント)

※ガルバリウム非対応の塗料を含む

各研磨区分ごとに塗装を行い、
左側の板は「研磨のみ」、右側の板は「研磨後に脱脂処理」を行った条件で比較検証しました。

ガルバリウム鋼板 試験塗装完了


試験方法

本試験は、以下の方法にて実施しました。

・「切り込み隊長」によるクロスカット試験
・ガムテープを用いた付着性確認

ガルバリウム鋼板 試験塗装後 クロスカット ガムテープにて密着検査


結果

■ 研磨のみの板

D・E・F:良好
B:分類3程度の剥がれ
A・C:分類4以上の剥がれを確認

■ 脱脂処理を行った板

B・C・D・E:良好
A:分類3程度の剥がれ
F:分類4以上の剥がれ

脱脂を行うことで、軽度な研磨(B・C)でも一定の改善が確認されました。
しかし、(F)では、脱脂を行っても付着低下が見られる結果となりました。


総合評価(平均的判断)

D・E区分が最も安定して良好な結果を示しました。


まとめ

今回の実験では、塗り替え周期ではない比較的新しいガルバリウム鋼板を使用し、
平均的な現場条件を想定した検証を行いました。

その結果、

下地を過度に露出させない(D~E)が最も安定した密着性を示すという傾向を確認することができました。

実際の現場では、

・汚れや油分の除去
・気温や湿度などの施工環境

といった条件や立地条件も大きく影響するかと思います。

本検証はあくまで一条件下での結果ではありますが、
ガルバリウム鋼板の塗装および取り合い処理における
研磨度合いの一つの目安として考えます。


記事提出者:わたなべ塗装

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