難付着サイディングと言われる、特殊なコーティングを施されているサイディングボードへの下塗塗料の密着性について検証しました。
現在、弊社の外壁塗り替え工事での大半を占めるのが、
サイディングの外壁です。
その中でも近年見にする事が増えてきてる、難付着サイディングと言われてる
汚れが付きにくい様に光触媒などでコーティングされてるサイディングボード。
汚れが付きにくい利点もありますが、塗料も密着しにくい事から
専用の下塗り塗料が必要とされています。
これから更に増えてくる可能性があるので理解を深めたいと思い
下塗り10種と上塗り2種
光触媒は有機物を分解すると言われている為、下塗り~上塗りのインターバルを2日と9日に分けて
密着検査を行いました。
(現場では雨天等の影響で、1週間以上お休みする事もあるので
その間に光触媒により分解されることはないか)
□使用するサイディング
外壁の大敵である紫外線や雨風を味方につける、という発想へ。太陽の力で外壁に付着した汚れを分解し、雨水でパワフルに洗い流す。(HPより)
□使用する下塗り塗料
光触媒対応塗料と非対応塗料を用意
① A社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応)弱溶剤
※ メーカー会員専用塗料
②B社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応) 弱溶剤
③C社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応) 弱溶剤
④D社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応) 弱溶剤
⑤E社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応) 弱溶剤
⑥F社難付着対応クリヤー塗料
(下塗り材ではありませんが光触媒対応) 弱溶剤
⑦G社難付着対応下塗塗料
(光触媒対応) 弱溶剤
⑧H社一般下塗り塗料
(非対応) 強溶剤
⑨I社一般下塗り塗料
(非対応) 弱溶剤
※ メーカー会員専用塗料
⑩C社サーフ系下塗り塗料
(非対応) 水性
□使用する上塗り塗料
1 弱溶剤シリコン塗料 白 希釈3%
2. 水性シリコン塗料 アイボリー 希釈3%
□実験方法
新品のKMEW 光セラ18 ネオロックを用意
10マスに分け下塗り塗装
足付けなし
②B社難付着対応下塗塗料 (光触媒対応) 弱溶剤
⑤E社難付着対応下塗塗料 (光触媒対応) 弱溶剤
⑩C社サーフ系下塗り塗料 (非対応) 水性
上記3点は白色。他の下塗りは透明です。
下塗り 屋根上で乾燥(2日晴天)
2日間
上塗り 2種類塗装
(各マスの上部)
9日間乾燥
この間2晩ほど雨に当たりました。
(強い時で6mm程)
9日後
ラスターで掃く程度の清掃後
各マスの下部に2種類の上塗り塗装
4日間屋根上で乾燥
クロスカットして密着検査していきます。
(インターバル2日経過)
(インターバル9日経過)
◎色、柄違いの2種類のサイディングでも結果は同じでした。
◎試験ではインターバルに関してはほぼ変わらず、
あけた方が密着してるケースもありました。
◎光触媒下地適応外の下塗りでも密着してる所もありました。
◎下塗りはしっかり密着してるが、上塗りだけ剥がれた塗膜がありました。
◎適応外下塗り塗装した際、下塗りごと剥がれた所がありました。
◎クリヤー塗装の上にもまずまず密着してました。
予測と結果は異なる事もありましたので,
現場にてクロスカットの検査を行い、都度確認する事が
より確実な工事に繋がる事を再認識出来ました。
おまけ①・・・・・・・・
私感ではございますが、
粘度とニオイを分けてみました。
粘度が低い ① A社難付着対応下塗塗料 ③C社難付着対応下塗塗料 ④D社難付着対応下塗塗料
⑦G社難付着対応下塗塗料 ⑧H社一般下塗り塗料 ⑨I社一般下塗り塗料
↓ ②B社難付着対応下塗塗料 ⑤E社難付着対応下塗塗料
粘度が高い ⑩C社サーフ系下塗り塗料
ニオイ弱い ① A社難付着対応下塗塗料 ⑤E社難付着対応下塗塗料 ⑩C社サーフ系下塗り塗料
↓ ②B社難付着対応下塗塗料 ③C社難付着対応下塗塗料
ニオイ強い ④D社難付着対応下塗塗料 ⑦G社難付着対応下塗塗料 ⑧H社一般下塗り塗料
⑨I社一般下塗り塗料
※おまけ②写真
関係ない話ですが、写真で出てる屋根は4年前に3スパンづつわけて、
某社弱溶剤フッ素塗料、某社弱溶剤ウレタン塗料、某社弱溶剤遮熱ウレタン塗料
同色にて1回塗りで塗りましたが、現在写真の様にどれもチョーキングしてます。
記事提出者:わたなべ塗装