カッターの替刃 性能検証レポート

カッターの替刃について、切れ味やその持続性について検証を行いました。

普段マスカーを切る際に、私は切れ味の持続性を重視して白刃を使用していますので今回の検証では、国内の主要な5つのメーカーの白刃を比較検証しました。

【 検証したメーカー】
1. OLFA
2. NT
3. KAI
4. KDS
5. TAJIMA

各社のカッターの替刃

【検証方法】
まず、切れ味の検証を行いました。作業台に固定したガイド付きカッターに各メーカーの替刃を取り付け

作業台にカッターを固定

紙製のジョイントテープ(幅53mm、厚さ0.2mm)を二つ折りにして、アクリル板で挟みます

紙製のジョイントテープ

固定した状態で引っ張り、フォースゲージを使って紙が切れた時にかかった力を測定しました。

切れたときの力を測定

この際、斜めに力がかかると一部分が先に切れるため、実際の使用状況とは異なるものの、刃全体で一気に切るイメージを持って、各替刃について2回の測定を行い、その平均値を取得しました。

カッターの刃,新品の切れ味

各替刃の状態をiPhoneの拡大鏡で観察したところ、少ない力で切れる替刃は、研磨されているシノギの幅が広く、鋭角な角度で研磨されていることが分かりました。以下はTAJIMAとNTの比較画像です。

替刃の刃の付き方の違い

各メーカーの中でもKAIは研磨角度を公表しており、職専大白刃の刃付け角度は22°です。
OLFAやTAJIMAはさらに鋭角な研磨を施されていると推測されます。

【消耗後の切れ味検証】
一般的に、鋭角で切れ味の良い替刃ほど切れ味が落ちやすいと考えられます。
そこで、同様の条件で替刃を消耗させた後の切れ味を再度測定しました。

普段、養生作業時にブルーシートロールを数回切った後にマスカーを切ると切れ味が低下する感覚があるので900mm幅のブルーシートを数回切った後に検証しましたが、変化が少なかったので
80mm幅に裁断したゴムアスルーフィングを使用して各替刃で3回ずつ切断し
再度測定をおこないました。

消耗後の切れ味を検証

ゴムアスルーフィングを切って測定

以下が消耗時にジョイントテープを
2回切断してフォースゲージで測定した平均値です。

カッターの刃,消耗時の切れ味

【結果まとめ】
鋭角に研磨された替刃は切れ味が落ちるだろうと
予測してましたが、TAJIMAやOLFAは
優秀な数値が出た事に驚きました。
また消耗した5枚の替刃でマスカーを
3回づつ切って切れ味の感触を試してみると
主観になってしまいますがNT以外の4枚は
切れ味は落ちていましたが、余り差は
無いように感じました。
NTの替刃は鋭角に研磨されていないにも関わらず
切れ味が落ちてしまっているのは5枚の替刃の
中でも唯一厚みが0.45mmと他のメーカーより
薄い事が関係しているのかもしれません。
消耗した刃でマスカーを切ると
引っかかりを感じる切れ味に落ちていました。

カッターの刃,新品と消耗時の切れ味の違い

【 最後に】
カッターの替刃には、素材や厚み、刃付けの段数など、さまざまなバリエーションがあります。
今後も作業用途に合わせた最適な替刃の検証を続け、皆様に有益な情報をお届けできるよう努めていきたいと思います。

各社のカッター替刃

※本検証は性能の絶対的な格付けを意図したものではありません。
用途や好みにより評価は異なると思われますので、一つの参考意見としてご覧ください。


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記事提出者:ハマテック

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