第2回オフ会(阿部塗装店 代表 阿部康悦)

屋外暴露試験の結果を現場に

塗料の耐候性を見極めるための試験は
大きく2つの方法があり、
1つ目は塗料のカタログに掲載されている
「促進耐候性試験」
当会がこれから行う
「屋外暴露試験」があります。

促進耐候性試験は
人工的な環境条件(紫外線、湿度、温度、降雨など)を再現し、
塗料の耐候性を評価する試験方法ですが、
個人的には現場とは
リンクしにくい傾向があると感じています。

また同じ塗料でも「色」が異なると、
色褪せや耐候性が変わることもあるため、
今回の屋外暴露試験で、
淡彩で優れている塗料、濃彩で優れている塗料
それぞれ見極められれば
外壁や屋根のメンテナンスサイクルを
少しでも延ばすことが可能になるはずです。

塗り板作成

ここからは塗り板の付着性テストや
膜厚などの確認をご紹介いたします。

塗り板のサイズとローラーのサイズ

塗り板となる素材は
ステンレスやアルミ・
フレキシブルボードなどあり、
メンバーで検討した結果、
アルミ板(A5052)で決まりました。

宮古島は紫外線量や
塩分が多く過酷な環境のため、
塗膜の剥離などが発生すると
設置した意味がなくなってしまうため、
事前に付着テストを行いました。

付着テストは
岐阜県岐阜市のむらせ塗巧舎
村瀬さんがテストしてくださり、
下塗り塗料Eプライマーと
水性塗料の付着は良好でした。

アルミと下塗り塗料の付着テスト

岐阜県中津川市の大吉建築塗装店
早川さんも
下塗り塗料B塗料で、
付着テストをしてくださった結果が、

アルミと下塗り塗料の付着テストの結果

絶望的な剥離で驚きました。

ここまで付着不良になる原因は
必ずあるはずなので、
自宅にあるアルミ板を
ケンマロンで目粗し行い
下塗り塗装後、
屋外と室内で乾燥させ
2~3日後に付着テスト行うと、

アルミと下塗り塗料の付着テストの結果 付着不良

屋外乾燥は同じように
付着不良になりました。
(屋外の外気温は塗装後17時/1℃
翌朝7時/1℃ お昼12時/9℃)

アルミと下塗り塗料の付着テストの結果 微妙

室内の結果。
(室内の気温は約12°前後です)

おそらく屋外乾燥が派手に剥離した原因は
塗料が塗膜になる過程で気温が低く
造膜不良が発生した可能性が高いのでは?
と考えています。
それとクリヤーと白とでは
白の方が低温の影響を受けやすい
ようにも見受けられます。

ローラーは大塚刷毛のSky

大塚刷毛 スカイ

膜厚と肌のバランスが良く、
現場で使われることが多い
大塚刷毛のSkyに決まりました。

ローラー6種類を使って
ローラーマークと膜厚の数値を計測(水性塗料)

クリアファイルに塗装し
ローラーマークと膜厚を測定します。

ローラーマークと膜厚の比較 外壁塗装 ローラーマークの比較 屋根塗装
膜厚の比較

skyの4インチローラーに
吸い込まれる塗料の量は約80~100g
https://abe-tosouten.com/nuriita/

塗り板(塗膜)の感想

個人的な感想ですので、
参考程度でお願いいたします。m(_ _)m

水性塗料

Bシリコン塗料の隠蔽が悪い
個人で2023年に屋外暴露を行った時も
同じような隠蔽の悪さだったため、
現場で使用する時は、
既存の色と上塗りの色・
角の隠蔽に注意が必要。

Tフッ素上塗り1回目に弾き
小さい弾きが発生していましたが、
戸建ての塗り替えの場合、
アルミ板のようなフラットな
外壁は少ないため、
現場ではあまり気にならない
レベルだと感じました。

塗膜 発泡

P水性塗料の発泡
画像では、わかりにくいですが
上塗り1回目から発泡していました。
この気温で発泡してしまうと
夏場は怖くて使えないかも。

塗膜の隠蔽

W水性無機塗料の隠蔽
既存の色と上塗りの色の差と
角の隠蔽などに注意が必要。


弱溶剤塗料

【無機塗料の粘度】
無機塗料は
日本ペイントのグランセラを除いて
粘度が低い傾向が強かったです。
グランセラは
現場で一度使用したことがあり、
ネタはモチモチしていて
他社の無機塗料より
隠蔽に優れているように感じました。

【発泡】
塗料メーカーKのネタは
塗装後、発泡しやすいですが、
残存することは少なく、
屋根用塗料も
発泡しなかったと記憶しています。

塗膜の隠蔽

塗料メーカーGの屋根用塗料は
塗料を撹拌していただいた時から
小さい無数の泡があり、
塗装しても発泡は
残存しやすい傾向がありました。
(ローラーと相性が悪いのかな?)

【臭い】
関西ペイントの
ダイナミックTOPマイルド2液。
菊水のラーテルは
臭いが強い傾向にありました。

次回の対策と試験体

屋外暴露テスト 塗り板段取り

黒の2個1などを自宅で塗装するため、
一人で塗料の調合や段取りを行うと
想像以上に大変でした。

次回の「屋外暴露試験」は無いと思いますが、
個人的にはもう一度行ってみたいと思い
次回の対策や試験体を考えてみました。

調合カップ

塗料 撹拌

1液形塗料300g+シンナーを入れると
420mlのコップの場合、
画像のように一杯になってしまい
撹拌に気を使ってしまい
作業効率が悪く感じたため、

どんぶり


水性塗料なら
次回はスープなどをいれる
どんぶりが良さそうに感じました。

弱溶剤は500ml以上の
プラコップが良さそうに感じますが、
100均のスプーンの長さでは無理かもしれません。

大塚刷毛 SKY

どんぶりのサイズが15cmのため、
4インチのローラーは
ネタ漬けで保管できそうです。


【撹拌】

塗料 撹拌

丸缶やプラスチックのコップで
塗料を撹拌する際、
スプーンの柄が短く
親指と人差し指が辛くなります。

プラスチックの
スプーンは弾力があるため、
粘度の高い塗料は
撹拌しにくいかもしれません。
(容器がどんぶりなら関係無いかもしれません)

次回は柄の長い
木かプラスチックのスプーン・
太い割り箸を試してみたいと思います。


次回の屋外暴露試験の試験体

今後、屋根のカバー工法や
外壁の張り替えが工事を受注できるように
窯業系サイディングボードや
ガルバリウム鋼板の屋外暴露試験も
面白いかなと考えています。
(色褪せのみの比較になるため、
結果は微妙になるかもしれませんが)

それと防錆性テストも行ってみたいですが、
塗り板や塗膜の断面をどのように計測するのか
難題が多いですが、暴露できれば楽しそうですね。(^^)


2025年塗り板作成に
参加させていただき
ありがとうございました。

今回、貴重な経験をさせていただき
本当にありがとうございました。m(_ _)m

インスタのリールにも投稿しましたが、
初対面だった方も多い中
同じ目的のために協力し、
貴重な時間を共有することで
より関係を深めることができたと思います。

今後もよろしくお願いいたします。m(_ _)m

アンロッカー ステッカー ペーパー



記事提出者:阿部塗装店

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