高圧洗浄ガンの短縮改造

外壁塗装や屋根塗装の塗り替え工事において高圧洗浄作業がありますが、今回は洗浄ガン(高圧洗浄機用トリガーガン)の改造について ご紹介いたします。

最近の住宅では軒裏が無い「軒ゼロ」や、あっても30センチ程しか軒裏が無いお宅が増えています。
都市部ではそのような住宅が敷地いっぱいに建てられているケースが珍しくないため、足場を組み立てると作業床から外壁までがかなり狭くなってしまい、洗浄ガンが長いともの凄く洗い難い状況となることがよくあります。

そこで、まずは「カプラー」の雌にパイプを介さず直結する「ゼロランス」を採用。

ここからさらに短くしていくため、岐阜県メンバーの井口塗料さんに頂いた「異径ジョイント」を使います。

「ゼロランス」と「カプラー」を除外、「異形ジョイント」を介して「フローレギュレーター」に直接「ノズルチップ」を取り付けることにより、かなり短くなりました。

が、ここで1つ難点に気付きました。

このノズルは扇型に水を高圧で出していくのですが、「カプラー」が無い為、状況に応じて扇形の水の向きを縦や横向きに変えることができないのです。

そこで神奈川県メンバー曽根塗装店さんが閃いてくれました。

「ノズルチップ」と「異形ジョイント」の間に切断したメガネレンチを噛ませて「ワッシャ」で固定する方法です。

これにより作業中でも扇形の水の向きを変える事が可能となりました。

コレで完結したと思いましたが、さらに短くする為に「フローレギュレーター」を外しました。
これによって、ガン先は改造前145mmから改造後25mmまで短くできました。

洗浄ガン短縮の結果

しかし「フローレギュレーター」が無いと常に最大圧力となり、網戸を洗う時に破いてしまったり、軽く流す程度の作業ができない為困ります。

そこで、「フローレギュレーター」はガンの下へ取り付け、最短であり圧力も調整出来て噴射向きも変更出来るオリジナル洗浄ガンが完成いたしました。

短縮洗浄ガン4

しかし、このガンにはデメリットもあります

それは「カプラー」が無い為、洗浄中に長いランスやトルネードノズルに変えたい場合には、いったん高圧洗浄機のエンジンを止めて、ガンごと取り替える必要があることです。

ですので当方は屋根は屋根専用のガンで洗い、外壁を洗う時は最短ガンに交換しています。

ガンごとの交換は少し面倒ですが、最短ガンは 軒の返しなども綺麗に洗えますし、何より作業し易いので洗い残し防止にも繋がりますね。

オプションとして精和産業の「手元やわらかホース」を使うと更に手元の動きが楽になります。


ガンの下に「フローレギュレーター」を取り付けると、洗浄機の作動中は圧力が掛かる場所であるため、200kg(20MPa)クラスの高圧洗浄機の場合は、硬くて回しにくくなります。

会の内部でこれが話題になると、「圧力調整付きのガン」があることを鹿児島のメンバー「ハマテック」さんが知っていました。
早速購入して最短ガンと合体させたのがこれです。

角度が上向き過ぎる、ロック機能がない、というのがいまいちですが、なぜ洗浄機メーカーや塗装用品商社がこれを売ってないのか、とても不思議ですね。


この様に「日本塗装技術研究会」では一つのアイテムでも皆んなの知識やアイデアを出し合い最適を見つけています。



記事提出者:江澤塗装
関係したメンバー:井口塗料曽根塗装店ハマテック
編集:曽根塗装店

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