水性錆止塗料の付着試験

日頃鉄部の下塗りにはほぼ溶剤系の錆止塗料を使用していますが、飲食店など臭いの問題等で使用できない事があります。
そんなシーンにおいて水性錆止塗料がありますが、私の中では良いイメージがないため、使用する場合に付着などの問題もあるかなと思い、気になったので簡単ではありますが付着試験をしてみました。

塗料は複数のメーカーから11種の錆止塗料を集めました。

①外部可
・インターナショナルペイント:IP水性メタルコートサビ止め
・エスケー化研:スマートボーセイW
・関西ペイント:アクアマックスEXⅡ
・日本ペイント:1液水性デクロ
・水谷ペイント:水系ハイエポンⅢ
・ロックペイント:水性サビ止メペイントV.O

②内部(外部可などの記載のないものも含む)
・エスケー化研:水性エポサビアンダー
・大日本塗料:アロナEPO
・日本ペイント:オーデハイポンプライマー
・水谷ペイント:水系サビデン
・ロックペイント:水性サビ止メペイント

※上記は五十音順に記載しており、以下の写真のA~Kの順番とは異なります

テストに使用する水性錆止塗料11種類

まずプリントされていない一斗缶を脱脂・目荒らしした面と脱脂だけした面に水性錆止塗料を塗布しました。

水性錆止塗料を一斗缶に塗布して比較

5日間乾燥期間を設けて外部可、内部用に分けてクロスカット試験を行ってみます。
まずは外部可からマスキングテープとガムテープで試験を行います。

外部適用タイプ水性錆止塗料密着テスト

脱脂のみの結果がこちらです。

外部適用タイプ水性錆止塗料密着テスト結果/脱脂のみ

次は目荒らしした面です。

外部適用タイプ水性錆止塗料密着テスト結果/目荒らしあり

もっとCのような結果になると思っていましたが、イメージと違いしっかり付着していると思いました。
似たような感じですが、A・B・Eは優秀な結果になりました。
次に内部です。(Fは外部可)
同じくマスキングテープとガムテープで行いました。

内部用タイプ水性錆止塗料密着テスト

結果このようになりました。
脱脂のみ。

内部用タイプ水性錆止塗料密着テスト結果/脱脂のみ

目荒らし有り。

内部用タイプ水性錆止塗料密着テスト結果/目荒らしあり

こちらもイメージと違い思いのほかしっかり付着していました。
中でもHは大差はないものの脱脂のみ、目荒らし有り共にかなり優秀で11種の中でも1番の成績でした。

次にもう2列水性上塗塗料と弱溶剤上塗塗料を塗布して2日間乾燥期間を設けて密着、リフティングの様子を見てみました。
水性錆止塗料塗布時に目荒らし有りの面には各上塗り塗布時にも水性錆止塗料を目荒らししました。
①水性上塗塗料(エスケー化研:スマートシリコンW)
②弱溶剤上塗塗料(エスケー化研:クリーンマイルドシリコン)

外部適用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト/目荒らしあり

外部適用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト/脱脂のみ

内部用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト/目荒らしあり

内部用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト/脱脂のみ

①・②ともにクロスカットしガムテープで密着検査します。
まずは脱脂のみ。

外部適用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト結果/脱脂のみ

内部用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト結果/脱脂のみ

ここではB・E・Kが優秀でした。

次に目荒らし有り。

外部適用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト結果/目荒らしあり

内部用タイプ水性錆止塗料+上塗の密着テスト結果/目荒らしあり

こちらはC以外は大差はないですがB・E・H・Kあたりが良く見えます。
①・②共に全てリフティングは見られませんでした。

現場で塗装する際には新設か塗り替えか、既存塗膜が活膜かどうかなど、諸条件が異なるため参考程度に考えていただけると幸いです。

(水性「錆止塗料」なので肝心なのは防錆性ですから、このまま放置して観察していきたいと思います)


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記事提出者:E paint work

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