豚毛ラスターにナイロンとの混毛タイプがあるのをご存知でしょうか?
タイホウの「チワワ」は高粘度タイプ塗料の粗面ダメコミ用として通常のラスターとは別格の柔軟さとコシをあわせ持つ刷毛です。
一度使ってみれば,その塗り心地にきっと驚くと思います。
タイホウの「チワワ」がカタログに掲載されて本格的な販売が始まりましたので,ご紹介させていただきます。

微弾性フィラーなど粘度高めの下塗塗料を塗るときに,豚毛2インチのラスターを使っている方は少なくないと思います。
ホームセンターなら100円台で購入可能で,塗料販売店から大手刷毛メーカー品を購入してもあまり高くない刷毛ですが,毛質にかなりばらつきがあります。
いろいろなものを試しましたが ,どれを使っても,ごわごわしていて馴染みが悪いか,クタクタで腰が弱いか,どっちかに偏っているので,これが良いというものにはなかなか巡り合えませんでした。
さかのぼること8年くらい前,2017年頃?大塚刷毛から「タフラスター」「タフ刷毛」というオールナイロンのラスター刷毛が発売されました。

これはもしかしたら良いかもしれない!と考えた私は試しに1本購入して使ってみました。
が,しかし,残念ながらコシが強すぎて私が使いたい用途には向かないことが判明。
その当時,タイホウの神奈川担当営業マンが2ヶ月に1回くらい当店に来訪されていたので,たまたまこの話をしたところ,「弊社にもナイロンのラスターがありますよ,使ってみてください」とサンプルをいただきました。
今はどうだか知りませんが,タイホウの営業車は「走る倉庫」状態のハイエースで多種多様の自社商品で満載,2シーターになってました。
営業さんが車から取ってきて渡してくれたのは2インチラスター3本。
「ナイロン」と「豚毛」と「混毛」でした。
豚毛とナイロンの混毛のラスター刷毛があることは知らなかったので,「へ~」と思いました。
この「1へえ」が「100へえ」になるとは思わず,新品のときの写真を撮っていないので,いただいた年月日ははっきりしないのですが,結構凹凸があるサイディングにサーフ系の下塗塗料を塗るのに初めて使用,その時の写真がこれで,2017年11月です。
3本のラスターを持って移動し,何度も取り換えながら丸1日塗り比べたのですが(新品のときの見た目はほとんど変わらないのに)塗り始めてまもなく あまりの違いにびっくり しました。
使い終わって,3本を洗ってから撮った写真がこれです。

塗装職人の方なら見ただけで何となくお分かりいただけるかもしれませんが,ピシッと原形を保っている「化」=ナイロン,見るからにくたくたになってる「ブ」=豚毛,でも真ん中の「M」=豚毛とナイロンの混毛はイイ感じの雰囲気を出してますよね。
翌日,「これはものすごく良い刷毛だから,ちゃんと名前を付けて売り出したほうがイイですよ」と担当営業マンにお電話しました。
混毛のラスターは「ハーフコッピー」という名前が付けられていましたが,大塚さんの「タフラスター」に比べると名前が地味過ぎてぜんぜんキャッチーじゃないし,そもそもナイロンと豚毛の混毛ラスターがあるなんて,たぶん誰も知らない。
コシと柔軟性のバランスが非常に良い,ナイロンと豚毛の長所を合わせ短所を補い合っているようで,たいへん素晴らしい。
ただ,玉厚を調整してほしいです,もっと良くなると思うので。
そんなようなことを営業マンにお話したと記憶しています。
でも,そこから(2017年から)正式販売までが なかなか進展しませんでした。
しばらく経って,最初の調整品が届きました。
が,それがNGで,もう1回お願いして,2番目の調整品で完成となりました。
その頃には曽根塗装店の定番の刷毛のうちの一つになっていましたが,タイホウさん,ぜんぜん売る気が見えない。
加えてコロナ禍で豚毛が入手困難ということで,ほぼ販売中止の状況に...。
2023年,ついに当店在庫が無くなってしまい,あれ注文できますか?と尋ねたところ「名前が決まってないので名無しで良ければ納品可能です」とのこと。
高いものじゃないので 30本購入して,「曽根」の焼き印を押して10人ほどの知人に送りつけましたw
「この刷毛めちゃくちゃイイじゃん」と思うのは自分だけなのか知りたかったのです。

(※焼き印は,40年以上前?先代のときから当店にあったものです)
結果,ほとんどの方から好評で,私が知る限り,後に「箱買い」した方が4社おられます。
その反響を豊川社長にお知らせして1ヶ月後,新しい名前が決まったと連絡がありました。

ということで「チワワ」が誕生しました。
このあと,2024年に 日本塗装技術研究会 が発足,2025年2月の大阪オフ会の1泊目に久しぶりに豊川社長と再会を果たしたことが契機となり,原型である「ハーフコッピー」を知ってから紆余曲折を経て8年目にして ようやくカタログに掲載,本格販売となった次第です。

普段2インチの豚毛ラスターを使っている方で「チワワ」なんて知らんという人,ぜひ使ってみてください。
ビックリすると思います。
最後に,「チワワ」の目地刷毛の話を付け加えておきます。
2023年に目地刷毛を特注させていただき,その品質について当会のメンバー諸氏を巻き込んで,5回ほど試行錯誤を重ねた結果,正式にラインナップされる運びとなりました。
こちらもおすすめいたします。



会の内部で,「チワワ目地刷毛の試作品注文しますけど買う人いますか?」と尋ねたところ,結局合計300本以上の発注となりました。

結果,ここ ↑ から当会メンバーの意見を受けてさらに改良されて出来上がりました ↓


※「厚み(mm)」「75」は「5」の間違いですね
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記事提出者:曽根塗装店

